【レビュ― PIST6 2023㉑】山根将太が力強く逃げ切って初V

2023.09.30

レース,選手

PIST6 2023 ラウンド21は、9月30日(土)に最終日が行われた。決勝戦にはタイムトライアル上位3名が無傷で勝ち上がり、好メンバーが顔を揃えた。実力伯仲の一戦は、残り2周半からスパートした山根将太が逃げ切って完全優勝を飾った。2着には飛び付いた長谷部翔が迫り、長谷部を追った佐野梅一が3着に入った。

決勝戦のスタートポジションは先頭から長谷部翔-佐野梅一-加藤将武-山根将太-藤岡隆治-三浦翔大。レースは残り3周でペーサーが退避しても各選手の動きはなく、残り2周半手前に山根がスパートを開始し、残り2周で先頭に立ち先行態勢に入った。その後は残り1周半で三浦が最後方から巻き返すも、2番手の外で力尽き後退。最後は山根がしっかり踏み直して、長谷部の猛追を振り切った。

「1回頂点に立ってみたかったので満足しました。(決勝戦を振り返って)残り2周半ぐらいでは動いて前に出て、他の選手の様子を見ようと思った。出切ったのが残り2周ぐらいだったし、ここから出させると巻き返せないと思ってそのままペースに入れて先行した。早めに動いたしきつくて、最後は残っているかわからなかった。(シリーズを振り返って)優勝を狙えるシリーズだと思っていた。タイミングを合されたり外併走になるときつかったけど、しっかり自分のペースで先行できたら通用することがわかったのは収穫です。最近は現行競輪の成績が良くないので、この優勝をきっかけにして次につなげていければ」

初参戦となった前回は人気を集めるも準決勝3着に終わり涙を飲んだ。その悔しさを胸に秘め、今シリーズは4連勝で初Vを達成した。アマチュア時代にはインカレの1㎞TT、スプリント、チームスプリントで3冠を達成するなど競技適性は抜群で、きっかけをつかんだ山根が今後のPIST6を席巻する可能性もありそうだ。

『ベテラン勢が奮闘』
また今節は実力伯仲のシリーズとあって、経験豊富なベテラン勢の活躍も目立った。初日の1次予選ではGⅠタイトルホルダーの稲垣裕之が2周半駆けて逃げ切り、2次予選では小松剛之が先行しあわや山根将太を封じるかのような見せ場を作った。最終日の順位決定戦では深澤伸介が2番手確保から抜け出し4カ月ぶりの白星を挙げ、水谷良和は豪快なまくりを決めて自身5度目の勝利を飾った。ベテラン勢が250バンクで躍動し、若手相手にも堂々の競走を披露して今シリーズを盛り上げた。

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次回開催は10月8日(日)と9日(月)。『PIST6 2023 ラウンド22が行われる。

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